Yokoyama and Associates

ARCHITECTURE and LANDSCAPE DESIGN



カフェ・ドゥードゥー便り

No.66 2010年11月号

カフェ・ドゥードゥーの店主を長く努めてくれていたバセット・ハウンドのドゥードゥーが10月初めに逝きました。享年14歳でした。
コンパニオン・アニマルと言う言葉を聞くようになって時間が経ちます。英和辞典でcompanionと引くと「仲間、友人、気の合った友、同好の友」などが出てきます。失って初めてコンパニオン・アニマルと言う言葉が、腑に落ちた気がします。ドゥードゥーのおかげで、地域のみなさんと声をかけあうことができるようになりました。飼い主より一歩先に、生きて老いると言うこと、いのちは終わるということを教えてくれました。
地球と生きものについての国際会議が開かれる時代、「仲間としての生きもの」と言う考え方が大事な時代になっているのだと思います。

 11月の予定
11月17日(水)ドゥードゥー・デリカの日
11月19日(金)住いや庭、リフォーム相談の日
11月24日(水)野菜屋ドゥードゥーの日
11月27日(土)おちあい・つるまきガーデンクラブ


 11月のお楽しみ
TAMA CINEMA FORUM

ことしも11月20日(土)から11月28日(日)まで映画祭TAMA CINEMA FORUMがはじまります。ことしは第20回、多摩を代表する年中行事に立派に育ちました。秋の1週間、映画三昧で過ごしましょう。カフェ・ドウードウーの期待は、『ボローニャの夕暮れ』です。

 地域のガーデンクラブから
マロニエの径のパーゴラにアケビとカロライナ・ジャスミンが植えられました。多摩丘陵の里山でもたくさん見られたアケビは、薬用、食用、つる細工など、私たちの生活になくてはならないものでした。生活から縁遠くなるにつれて、最近ではあの独特の紫色をしたアケビの実を見ることが少なくなってしまいました。こどもたちが不思議な顔をしてアケビの実を眺める風景を楽しみにしています。(マロニエの径の会)
一緒に活動して頂ける仲間を募集中です。
(おちあい・つるまきガーデンクラブ http://gardenclub.exblog.jp/

 住まいと庭
北欧では、住宅は福祉政策の一環としてとらえられていると言うことです。ホームレス問題などを見ても、当たり前のことのように思えます。住宅と福祉との連携がなかなか難しかったこの国においても、住宅と福祉を総合的にとらえる視点がようやく育ってきているようです。
住いや庭について相談する会を開いています。
(無料)11/19(金)13時30分〜15時30分
申込:横山環境計画事務所 tel 042-374-6475
 街の絵葉書から 第35回「落合・鶴牧方面のスカイライン」

恵泉女学園大学から落合方面を見て描きました。緑の海の中に浮かぶ多摩ニュータウンを目の当たりにすることができます。

多摩ニュータウンの風景を描いたまちの絵葉書をつくっています。カフェ・ドゥードゥーあるいは多摩センター駅バスターミナル前の福祉ショップ゚「絆」、ベルブ永山の「はらっぱ」、諏訪商店街「あしたや」で販売しています。(1枚100円)

 今月のセミナー

第62回たま・まちせん木曜サロン
今回は、多摩ニュータウンで初めての建替え計画が進んでいる諏訪2丁目住宅の加藤理事長に来ていただくことになりました。

■日時:11月18(木) 19時〜21時

■場所:すくらんぶる〜む(諏訪商店街)
206-0024東京都多摩市諏訪5-6-3-102
電話: 042-337-5609
→ http://able-upo.com/sukuramu.html

■講師:加藤 輝雄(かとう てるお)さん(諏訪2丁目住宅管理組合理事長)

■テーマ:諏訪2丁目住宅の建替え計画の概要と組合から地域へのメッセージ(予定)
諏訪2丁目住宅の建替え決議が今春3月28日に成立し、いよいよ建替え組合も設立されようとしています。
多摩ニュータウンでは最初の建替え事業であり、640戸という大規模な団地が他の分譲マンションの建替えは、全国でも類を見ない最大規模のものです。
建替え後は約2倍の1250戸の規模となり、地域に及ぼす効果と影響にも大きなものがあると想定されます。今後、建替え組合が設立されると、平成23年度に着工、平成25
年度以降に新しいマンションが完成し、入居が始まる予定です。
今回、管理組合のご協力を得て、建替え計画の概要やこれまでの苦労話をご紹介していただくと同時に、建替えの意義や地域へのメッセージをいただこうと思います。

■参加費(懇親会含む):会員1000円(学生会員 500円)非会員1500円(一般学生1000円)
 往診みちくさ想うこと 多摩たぬこ
 心地よい秋の日が続きます。今年は、夏の暑さか、どんぐりの不足か、山里を下りてきた熊さんたち。ちゃんと暖かな冬眠の準備はできたのでしょうか?ちょっと心配。
  先日多摩ニュータウンで見られる木の実・松ぼっくりが書かれた冊子を見ました。この街は、こんなにたくさんの自然の中にあるのだと改めて感じました。山の熊さんのおうちが居心地よく、人間もあんしん安全に暮らせるところがいいですね。
 さて、皆さんは、今、どんな「家」に住んでいますか? 
1)集合住宅・団地の何階かでしょうか?山の上の一軒家?
2)いつからそのおうちに住んでいらっしゃいますか?うまれたときから?結婚して移りすんだ?子供が生まれてから?転勤で引っ越してきた?年をとって住み替えた?
3)一人暮らし?二人暮らし?家族・友人と暮らしていますか?ホームや施設など集まって住んでいるのですか?
4)そして、いつまで、その家住み続けるつもりですか?
 いつ、どんな家に住むかは、とても大きな不思議な課題です。人生の節目、学校や仕事、結婚(離婚)、退職などなど。巣立っていくものと、残されあとを守り続けるもの。家には、様々な物語が詰まっています。
 「家」「住まい」は、育ちや旅立ちと大きくかかわるのと同じように、老いや病とも大きくかかわってきます。それが、始まりであれ、お終いであれ、心地よくしあわせな家を見つけたい。どこを私の家として、どこに住まうか。それを決めるのは、自分自身なのです。

ひとみタウンケアクリニック
 まちのご隠居のつぶやき 南野 狐
はだしのゲン

 漫画家・中沢啓治による「はだしのゲン」は被爆者の悲惨な生活を描いた全10巻の長編劇画である。実体験からの反米・反戦と反ピカは説得力がある。天涯孤独になった少年たちが焼け野ヶ原を舞台に懸命に生き抜こうとしたバイタリティー溢れる核廃絶の叫びに貫かれている。
貪るように読んだ。子供の頃、「遊んでばかりいて!」と叱られ、ジジーになった今日、里帰りの度に沢山の漫画本を持ち帰っては放棄していく不肖の子からまで「いい加減にしたらと」叱られながらも、涙で目がかすむのも厭わず読み耽った。
わが国の民主主義もいよいよ成熟し、市民主権時代を迎えた。先進民主主義国家は法の支配する法治主義に拠って生活課題や国内問題ばかりでなく国際紛争も解決していく。
未成熟国家は武力に頼りたがる、しかし国際民主主義社会はくみしない。
 法がまだ大衆のものでなかった時代は法律家のことを「悪しき隣人」と揶揄した。しかし民主主義が市民のもの大衆のものとなった今日、すべての社会生活は力や武力によることなく、全てルール(法)のみによって運営されていく。法治でありコンプライアンス(順法主義)である。
 戦後60年というのに既得権者は「核の傘論」「非核三原則」をもてあそび、「武器輸出三原則」の緩和さえ取り沙汰してやまない。
 ゲンならば「何かが狂っている」と言うに違いない。そして、「唯一の被爆国としてはいかにアメリカの核の傘に身を寄せることでしか安心できない現実があろうとも、理想の灯は消してはならない」と。
 憲法は権力者への命令である。その前文に“われらは平和を維持し専制と隷従、圧迫と偏狭を地上から永遠に除去しよう”と宣言したではないか。
 はだしのゲンは言うだろう。「貧すれば鈍するというが、核は廃絶以外にはない」と。  了