ARCHITECTURE and LANDSCAPE DESIGN
カフェ・ドゥードゥー便り | |||||
No.69 2011年3月号
植物の持つちから 高知に行ってきました。第一の目的は高知県立牧野植物園でした。日本が生んだ世界的な植物学者、牧野富太郎博士を記念して作られた植物園です。 これまで訪れたどんな植物園とも違った、植物が本来もつ大きなちからが解き放たれている、そんな風に感じる事ができる植物園でした。そんな風に感じさせる要因の一つは、個々の草木に丁寧に付された圧倒的な量の樹名板でしょう。それぞれの草木が正確に学名、科名、俗名を名のっている事の気持ち良さ、礼儀正しさ。どのような植物も敬意をもって分け隔てなく処されている世界がこれほど大きなちからを感じさせるものだとは知りませんでした。ひとと自然、ひとと植物のかかわりがもう一度問い直されているこの時代に、植物園という場所がもつ大切さを納得させられた訪問でした。 私たちひとりひとりがそれぞれ異なった名前を持つように、草木一つ一つかけがえのない名前を持つ存在なのだと、牧野植物園から帰って、そんな事を思う事が多くなりました。 |
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3月の予定 3月のお楽しみ 2011 EARTH VISION 多摩 映画会〜自然との共生〜 今年で19回目を迎える「EARTH VISION地球環境映像祭」の入賞作品から、いのちのつながりをテーマに製作された話題の4作品を上映。 日時:2011年3月26日 (土)、13:00開演 場所:パルテノン多摩小ホール 料金:【前売券】アテナ \500、一般 \600【当日券】アテナ \700、一般 \800 小・中学生 \100 主催:EARTH VISION 多摩実行委員会 お問合せ:090-6797-0939 地域のガーデンクラブから 団地の中庭に紅梅が咲いています。今でこそ梅の花は桜ほどの人気はありませんが,中国から渡来した万葉の時代には梅の人気が絶大でした。日本原産の桜に比べて,中国から渡来した梅は舶来品として人気を博したとの事です。近年何かとぎくしゃくする事が多い日中関係ですが、梅の花を通して見てみるとまた異なった様相を呈するのかもしれません。 一緒に活動して頂ける仲間を募集中です。(おちあい・つるまきガーデンクラブ http://gardenclub.exblog.jp/ ) 住まいと庭 Yさんのお宅の設計に際してご家族のこれから50年くらいの時間表を作ってみました。 そうするといろんな事が見えてきました。私たちは家を作るとき、長くても10年先の暮らしぐらいしかイメージせずに作っているような気がします。この国の住宅を取り巻く環境がいつまでたってもスクラップ・アンド・ビルドをくり返し,落ち着きのある住宅環境に育ってこない理由の一つにそんな事があるような気がします。100年住宅とまでは言わないまでも,せめて50年先をイメージして住いのあり方を考えてみたいです。 住いや庭についてのご相談を受ける会を開いています。(無料)3/18(金)13時30分?15時30分 申込:横山環境計画事務所 tel 042-374-6475 街の絵葉書から 第37回「一本杉公園の炭焼き小屋」 一本杉公園の炭焼き小屋にも春がやってきました。 多摩ニュータウンの風景を描いたまちの絵葉書をつくっています。カフェ・ドゥードゥーあるいは多摩センター駅バスターミナル前の福祉ショップ ゚「絆」、ベルブ永山の「はらっぱ」、諏訪商店街「あしたや」で販売しています。(1枚100円) 今月のセミナー 東北地方太平洋沖地震のため、中止になりました。 第66回たま・まちせん木曜サロン 日時:3月17(木)19時〜21時 場所:すくらんぶるーむ(諏訪商店街)多摩市諏訪5-6-3-102、電話: 042-337-5609 講師:横山美樹雄(よこやま みきお)さん(ホームタウン南大沢住環境委員長) テーマ:団地丸ごと外断熱改修〜146戸の分譲団地で外断熱改修を実施した経緯と効果〜 ホームタウン南大沢団地は中層10棟146戸の管理組合と低層28戸の管理組合があり、中層と低層が共有する集会所と挟まれた道路とゴミ置き場などの共用物を集会所等管理組合が分担するという特殊な仕組みの団地です。その中層団地で「2008年度既存住宅・建築物省エネ改修緊急促進事業」の補助金を得て「団地丸ごと外断熱改修」を、それも短期間でやりとげたお話しです。 2008年12月26日に国土交通省が発表して、応募の締め切りが1月19日、団地管理組合では短時間に合意することは不可能だと思えるのですが、それを乗り切り、さらに年度内に着工又は実施設計を開始しなければならないと言う条件。 それをやりきった団地コミュニティづくりの秘訣をお聞きします。 参加費(懇親会含む):会員1000円(学生会員500円)、非会員1500円(一般学生1000円) お申込はこちらからお願いします。http://www.machisen.net/salon/index.php 又は k.matsubaraアットマークja2.so-net.ne.jp 往診みちくさ想うこと 多摩たぬこ 今月はお休みです。 まちのご隠居のつぶやき 南野 狐 大相撲復活(提言) 大相撲が八百長問題という不祥事で春場所が中止となった。大震災や戦争さえ乗り越えてきた、わが国の伝統スポーツを代表する国技として共感、支持されてきたというのに。 大相撲が大好きだった親父達が足を踏ん張って応援していた栃若、柏鵬時代以来の熱狂的なフアンの子供としても残念で仕方ない。 確かに、子供心にも千秋楽で7勝7敗の力士がほとんど勝ち越す実態は釈然としない疑念が定着していた。しかし、清濁併せ呑む大らかさがあり所用のない限り相撲を視聴しなかった場所は一度もない。 ゴシップを売り物にするメディアは「八百長だと暴露する者」「名誉棄損だと最高裁判決まで大騒ぎ」してきた。結局は大岡裁き的判決で一件落着とあいなってきたが、今回は携帯電話なる便利この上ないツールが仇となってしまった。 長い間、「原則無罪」とか「疑わしきは罰せず」とかの法理の「限界」が証拠能力保全と復元の飛躍的発達により変革を迫られることとなった。 鬼と言われた初代若乃花・元二子山理事長が20年も前「無気力相撲を繰り返していけば相撲協会は法人解体となる」と言う辛辣な叱責がテープとして再現されている。もっとも「無気力という表現も方便と言えば方便だったのだろうか?。」 ちょん髷が侍の矜持という相撲文化が。神道の形式を重んじる武士道が外国人に理解されるだろうか、男女差別を含め、はたまた就職と解する今の学生に侍の誇りが理解されるだろうか甚だ疑問ではある。しかし改革の放棄は滅亡を意味する。 ガチンコ大関として名を馳せたが短期間だった大関魁傑が大相撲の大改革にあたってどのように覚悟し決断できるか。快傑ゾロよろしく強き悪を挫き、弱きを助ける正義の味方となり、庶民娯楽の復活を期待して止まない。 了 |
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